なんとなくアタラクシア

平穏でなんでもない毎日の記録

大嫌いだった登山が趣味になるまで②

 

昨日のエントリーの続きです。

まだの方はこちらを先にお読みください↓↓↓

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大観峰。知らない。すぐさまググる。

なんか知らんけど綺麗な景色が出てきた。もうここでいいや。

 

終点の「大観峰」で降りるとよいと教えてもらい、バスに乗り込んだ。

 

 

バスの中で詳細をググる。

 

~大観峰:最寄りのバス停「大観峰」から徒歩45分~

 

徒歩45分。出たよ。徒歩45分先のスポットの名前をバス停の名前にするんじゃねぇ。一般的には全然近くないぞ。

 

 

そうは言ってもまぁ他に行く当てもないので、そのまま大観峰へ向かう。私一人を乗せたバスは、田舎道と山道の真ん中ぐらいの寂れた道を走り、屋根も椅子もない終点のバス停へ到着し、私をおろして去っていった。

 

とりあえずgoogle mapを起動。大観峰までのナビを開始させる。

 

 

地図を見たところ普通の車道である。というか普通にマイカーで行けるやつだな、これ。とはいっても私はペーパードライバーなので歩くしかないが、明らかにマイカーの旅行客がとぼとぼ歩く私をどんどん追い抜いていく。

 

 

ところで、大観峰は標高935mの山である。展望台があり、つまり高いところにあるのである。

 

どういうことかというと、この徒歩45分の道のりはひたすらに登りなのであった。

 

 

 

当時の私は、京都やら金沢やら東京やらの街中を歩き回ってはいたが、そこは平野であり登ることは滅多になかった。学生時代、あんなに嫌いだった上り坂。正直気が滅入る、はずだった。

 

 

一人で歩くと楽しい

あんなに嫌いだった登り坂なのに、一人でのんびり歩くのは全然苦ではなかった。不思議な感覚だった。マイカー共がどんどんと追い抜いていくが、これは私の旅なのである。他人が追い抜いていこうが、置いていかれようが、全く持って気にする必要はないのである。

 

 

確か3月、草の中にところどころ雪が残る景色を見ながら、優雅な気持ちで歩いた。

 

楽しい。

 

そしてふと左を見ると、そこに牛が居たのである。

 

牛。道を歩いていたら牛がいたのは人生で初めてである。黒毛がつややかに輝いている。ここは熊本、つまり日本、これは黒毛和牛というやつに違いない。なんか大自然の中をのびやかに歩いている。高貴な佇まいにも見えてくる。目が合った。なんかフェンスぎりぎりまで歩いてきた。息が聞こえるレベルである。なんだこれすげー。

 

 

歩いていたら唐突に黒毛和牛と出会った。

 

この驚きが、私の「登り坂なんか嫌いだ」というそれまでの固定観念を吹っ飛ばした出来事であった。

 

 

しかし、この時は車道を普通の服で歩いており、一般の旅行の範疇を出ない。

本当の(?)登山を始めるきっかけは、長野県の上高地への一人旅だった。

 

 

<③につづく>

 

 

 

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