なんとなくアタラクシア

平穏でなんでもない毎日の記録

体力のない女による富士山登頂の記録*登り編

先日、富士山に登ってきた。

 

人生で一回ぐらいは富士山に登ってみようという軽い気持ちで挑戦した3年前、8合目で大雨になりやむなく撤退。

 

その後2年、コロナのために富士山自体が閉山したりと色々あって、やっと雪辱を果たしてきたのでその記録である。

 

長くなったので、3記事に分ける。

①登り編→ここ 

②下り編→富士山登頂体験記*下り編

③持ち物編→富士山登山の持ち物リスト

 

 

 

今回の登山概要

登り:富士宮ルート 途中で山小屋泊

下り:御殿場→富士宮ルート(プリンスルート)

 

天候:終始快晴

パーティ:経験豊富なキャプテンと、いつものゆる登山メンバー

 

 

五合目〜新七合目(1日目)

12:00 駐車場到着

この時期はマイカー規制があるため、登山客は麓の駐車場に車を停め、バスで登山口へ向かうことになる。

 

バス乗り場で検温し、蛍光黄色のリストバンドを受け取る。腕でなくてもいいが見えるところに付けておくよう説明がある。周囲の多くの登山客に倣って、ザックに付けておいた。

 

夏休み期間とはいえ、平日の昼間だったため人はまばら。バスの横にも人がおらずザックが置けた。40分ほどで登山口に到着。しばらく休憩して体を慣らすと、登山開始である。

 

 

 

14:30 登山開始

 

富士宮ルート序盤の道は、こういう踏み慣らされた土の道に、木の階段が組んである。難所もなく歩きやすい。

 

 

そしてまぁこれ以上ないレベルの快晴である。雨女の私にしては珍しい。いつも雨や曇りなので水がそんなに必要ないが、あまりの快晴っぷりに水が足りなくなるのではないかと少し不安になった。

 

登ってみて分かったことだが、富士宮ルートと吉田ルートは定期的に山小屋がある。自動販売機や売店もあるため水の心配は不要である。もちろん割高だが必要な時には積極的に利用したい。なお、御殿場ルートの山小屋は低いところにしかないので注意。

 

 

15:20 六合目にて休憩

六合目の山小屋にて休憩。既に雲が下にある。

 

 

暑い日の登山で食べる塩系スナック菓子は、この世の至高のグルメの一つだと信じている。

 

 

標高2490m。この時点では同行者全員元気。

 

 

 

 

17:00 新七合目

六合目から新七合目までも、大きな違いなくひたすらに登る。

 

道自体は慣らされた土の道で歩きやすいが、道の外は岩だらけ。火山らしい風景である。

青、白、緑、茶色。美しい。

 

 

どこかの高校生が行事で登っているようだ。頑張れ。「私の学校にも登山行事があり、その時は苦しくて仕方なかったが大人になったら登山してるぞ、ふらふらのそこの君も頑張れ」と心の底でエールを送ろうと思ったが、みんな元気に登っていて、かつての私のように悲壮な顔で遅れて着いていく人がいなかった。元気だな高校生。すごいぞ。

 

 

そうこうしているうちに、本日の宿、新七合目の「御来光山荘」に到着。

 

いかにも山小屋のスタッフという感じのガタイの良いお兄さんが、端的に必要なことを説明してくれる。とりあえずあと20分でカレーが出るから食べてね、とのこと。了解いたしました。

 

この頃には同行者の数名が吐き気に催されており、カレーの気分ではないと寝床に引きこもっていた。私はペロリと平らげた。

 

 

なお、御来光山荘は、コロナ対策もあって簡易個室、あるいは2人部屋になっている。よくある半個室カプセルホテルのように、ブースが区切られていてカーテンが閉まる形の部屋だった。到着時に既に寝ている人もいるようで写真は控えたが、各ブースごとに照明とコンセント差し口があり、Wi-fiまで飛んでいるという至れり尽くせりっぷりである。

 

山小屋は大部屋で雑魚寝、という固定観念はもう過去のものである。素晴らしい。

 

 

深夜や早朝にチェックアウトして出発する人も多いため、朝食は前日に配布される。


私が受け取ったのはお弁当だった。パンの日やお弁当の日もあるらしい。

 

明日に備えて19:00には眠りに入る。ちなみに消灯は20:00だったらしい。

山小屋では眠れない人が多いと聞く。七合目とはいえ標高2500mを超えており、空気が薄くて眠れない人もいる。カーテンで仕切られただけのスペースで眠ることに慣れていなくて眠れない人もいる。私はぐっすり寝た。

 

 

 

 

新七合目〜九合目(2日目)

0:00 登山開始

19時から0時まで、5時間ばっちり睡眠を取って起床する。普段も5〜6時間睡眠なのでいつも通り寝ていると言える。

 

ホールに向かうと、他の登山客らも荷物の準備をしている。近くに、寝て起きたら高山病になった、これ以上の登山は断念すると話している人もいた

 

 

私は車酔いもすごいし、台風で吐きそうになる人間だし、頭痛持ち、軽い喘息、とまぁ高山病になりやすい人の筆頭のような人間だが、全くもって元気だった。おかしい。前回途中で断念した時は八合目まで登ったが、その時も全くもって高山病の兆候はあらわれなかった。山にだけは強いらしい。

 

 

軽くゼリーを食べて登山開始。真っ暗なのでヘッドライトを付けてひたすら登る。写真はない。同行者はしんどくて食べられない、食べたら吐くとずっと呟いていた。私はゼリーをばくばく食べる。他の同行者はお弁当を食べていた。そんな深夜2時。

 

 

 

3:00 八合目

苦しい。暗いではなく写真を撮る余裕がないので、写真がない。苦しい。

正直あまり覚えていないが、3000mを超えて少ししてから、とにかく呼吸が苦しかった。

 

山の上は酸素が薄い、という事実を体感する。吸っても吸っても酸素が回らない。すぐ休憩すぐ休憩でなんとか登る。

 

学生時代から持久走は最下位争い、心肺機能がそもそもよくない。さらに、4年前にインフルエンザになった時の後遺症のような形で喘息一歩手前ぐらいまで呼吸機能が悪くなった。

 

酸素が足りない。足りないのである。

 

 

しかしこれが不思議だが、息切れがすごいだけで、やっぱり高山病にはならなかった。「気持ち悪くて食べられない」という同行者の横で、息切れが落ち着いたらグミを爆食いする。そして歩いては息切れる。

 

 

 

5:00 九合目と御来光

元々、山頂の御来光は計画時から諦めており、見れるところで見る予定だった。

 

ちょうど九合目に着いた時、そこの山小屋から人が沢山出てくる。もうすぐ日の出だから、登山道とは違う所にある御来光スポットに向かうとのこと。

 

それは行くしかない。

 

 

 

 

 

着いた瞬間に日の出だった。

 

 

御来光は本当に美しい。これを見るために数々の人が山に登るということがよく分かる。

オレンジの光は輝いているのである。ただそこにオレンジ色があるだけではなくて、こちらにすごい勢いで向かってくるのである。写真を見返しても、あの輝きは写っていないなぁと思ってしまう。

 



 

遠くにはカミナリ雲も見えた。

 

 

 

日が昇るのは一瞬である。10分もすれば写真が撮れる明るさになる。

標高3460m。高い。

 

 

そして、ここからである。九合目から頂上までは標高でいうとたった300m。ここまで1000m登ってきているので楽勝である。

 

 

 

そのはずだった。

 

 

改めて書くが、山の上は酸素が薄く、私は心肺機能が弱いのである。

 

 

人は呼吸困難になるとネガティブな事しか考えられなくなる事を実感した。諦めて降りようかと何度も思ったが、同行者の大いなる協力と叱咤激励を受けて、いや多分受けたはずだがあんまり覚えていない。

 

とにかく一歩進む。それだけ考えて登る。

 

 

 

山頂

 

富士山頂から見る空は青かった。

 

 

登りたいと思ってここまで歩いてきたわけだが、本当に登れるとは思っていなかったというか、頂上に立っている自分が不思議な感覚であった。自分が富士山の山頂にいるということが信じられない。この記事を書いている今も、本当に自分が富士山の山頂にいたのか半信半疑な感じである。

 

でも、立ったんだよなぁ。

山頂で撮ってもらった写真の中の私は、おそらく史上最高の笑顔をしていた。この写真がなければ登ったことが嘘なんじゃないかと思ってしまうぐらい、自分が山頂に立ったという事に現実味がない。写真ってすごい。

 

 

 

 

いくつかの団体客も登っていた。

 

 

郵便局。手紙も送れるらしい。

 

 

 

山頂には神社があり、御朱印がもらえたりおみくじを引けたり、一通りのことが出来るが、水がないので手洗い場はない。なお、おみくじは末吉だった。リアクションに困る。

 

 

厳密に言うと、富士山の頂上は「剣ヶ峰」というこの茶色い山のてっぺんである。

 

山頂広場からさらに歩いて(私の場合は)30分ぐらいかかるので今回は断念。人生でまたいつか来る。多分。うん。心肺機能がもうちょっと育ったら。知らんけど。

 

 

 

 

山頂で食べる塩系のスナック菓子は、この世の至高のグルメである。

 

山頂で勢いのままに更新した記事がこちら。

 

ataraxia.hatenablog.jp

 

 

ちなみにこの時点で早朝の7:00でした。

達成感に満ち溢れているのに一日まだ始まったところじゃねーか、と思ってびっくりした。

 

 

帰路について、下山後の観光や食事について、持ち物について等は、別記事にて。

更新次第リンクを貼ります。

 

 

 

 

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